MEME LAB2022.12.31

2022年JINS MEME開発内容総まとめ!!

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新型JINS MEMEの発売から1年強が経過しました。 今年もJINS MEMEをご愛用いただきありがとうございました。

この1年間、ユーザーの皆様が楽しく快適にセルフケアライフを送れるための機能やコンテンツの追加・不具合の修正をおこなってきました。

その裏側ではJINS MEMEのデータ活用やJINS MEMEを利用した研究開発が進んだ1年でもありました。 年末のいい機会ですので、あまり表には出てこないJINS MEMEアプリ以外の開発チームの活動をまとめてみたいと思います。


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JINS MEMEファームウェアアップデート

無線でファームウェアを更新する仕組み(Over The Air Update)の安定化に時間がかかったため当初お伝えしていたリリース予定より遅れてしまいましたが、更新版ファームウェアの提供を開始しています。

>ファームウェアアップデートに関する記事はこちら

こちらは全てのユーザー様に対して必須の更新ではありませんが、もし今までにまばたきの検出率が充分ではないと感じられたことがある方はぜひお試しください。

このファームウェアでは以下の点が変更されました。

  • まばたき判定率の向上: 目を閉じた時にまぶたが長めに止まるようなタイプのまばたきに対する検出率を上げています
  • まばたき判定速度の向上: まばたきをしてから検出完了まで0.1〜0.15秒程度速くなっています
  • データ演算方法の変更: サマリデータのまばたき間隔の演算を単純平均法からRMS法に変更しています。これによるアプリのスコアへの影響はありません

来年もファームウェアの更新を予定しております。 これは機能的な変更ではなく、通信の安定化などBluetoothレイヤーの改善を行う予定です。

WebAPI(データ連携)

JINS MEMEアプリからクラウドに送信したデータの連携活用に関して、発売当初からサービス公開をしていたました。 しかし、設定・使用方法をあまりご案内できていなかったので、サンプルやドキュメンテーションを強化しました。

またAPIの有料化に関して発売当初は「2022年」と記載していましたが、2023年以降に延期されましたので引き続き無料でお楽しみください。 ちなみに、2023年には「キュートで人気のあのデバイス」とJINS MEMEアプリとの連携を予定しています。お楽しみに!

>WebAPIドキュメントはこちら

Slack連携

お仕事の連絡用にSlackをお使いの方も多いと思います。 そこでJINS MEMEアプリを使用時、集中が高いときにSlackのDnD(通知の停止)を一時的にオンにしたり、自分のステータスアイコンを集中や緊張値に合わせて自動で変更する機能を利用できるようにしました。 こちらはドキュメントに詳細な設定方法が記載されていますので是非お試しください。

>Slack連携設定方法はこちら

IFTTT連携

IFTTT(データ連携サービス)のIF(もしも)トリガーとしてJINS MEMEアプリのデータを利用することができます。 IFTTTの公式トリガーとしての掲載はまだ企画検討中ですが、Custom webhookモジュールを使用することでノーコードでIFTTTと連携することが可能になっています。

この仕組を利用し、「下を向き過ぎていると一瞬ライトが暗くなる連携アクション」の設定例をドキュメントで説明しております。 この要領で「集中が低くて座り続けている時にコーヒーを淹れる」とか「速歩きしていたらメールで応援」など様々な応用ができますので、皆様のアイデアをぜひお試しください。

>設定方法のドキュメントはこちら


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「カラダとココロのセルフケア」以外に実験的なJINS MEMEの活用方法を試みる 「LABプロジェクト」 では、いくつかの開発が進みました。

頭の動きを利用したマウス

ハンズフリー(頭の動きだけ)でWindows/MacOSのマウス操作を実現するプロジェクトでは、被験者の皆様にご協力いただき使い勝手の向上に取り組んできました。

「直感的に操作できる」ことと「自分が操作したい時にだけ動作する」ことを両立させるのが想像以上に難易度が高く、現在第4世代目アルゴリズムの最終テスト中で、2023年中にはオープンテストを実施する予定です。

まばたきを利用したデバイス操作

iPhone/Android のアクセシビリティ機能をまばたきで操作する研究を続けています。 こちらは一般向けではありませんが、この技術を求めているユーザー様のために継続的に改良を続けています。


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分析ドキュメンテーションとサンプルスクリプトの提供

JINS MEMEのデータのような1分単位の細かい生体データを分析する実践的な方法は解説されたものが世の中にはあまりなく、分析を試されたいユーザー様から多くのお問い合わせをいただきました。

そこで、ドキュメンテーションとサンプルスクリプトの提供を開始しています。

>短期のシーン分析例

>長期の時系列分析例

またデータ連携で使用している認証方法(OAuth2)は標準的な仕様ではあるものの、初見の方が実際に実装しようとするとかなり手間のかかる仕組みではあるので、OAuth2認証のサンプルPythonスクリプトを公開しています。

これらを利用することで、単純な時系列のデータ可視化だけでなく、より高次なデータの活用もできるようになりますので、今後もこのようなサンプルを増やしていきたいと考えています。

歩行運動分析に関する学会発表

加齢に伴う歩行の変化をJINS MEMEで検出する取り組みを、2022年11月に札幌で行われた日本臨床スポーツ医学会の学術集会で発表させていただきました。

この発表では、JINS MEMEで取得できる歩行データから加齢で現れる現象を検知することが可能なことが示しました。 今後これをもとに「正しい歩き方で健康寿命を伸ばす」ような取り組みができればと検討を行っております。

>日本臨床スポーツ医学会Webサイト

様々な疾患の診断デバイスとしての可能性の研究

様々な疾患の診断デバイスとしての利用に向けた他の研究機関様との共同研究や、分析スクリプトの提供を開始しています。 市販のウェアラブルデバイスのデータを利用した診断の可能性の研究はまだまだ黎明期ではありますが、様々なデータと掛け合わせた先制医療を目指して着実に進めていきたいと考えています。


最後に

少し専門的な内容のご紹介になりましたが、このように2022年は多岐に渡る分野でJINS MEMEを活用した研究開発の進捗がありました。 2023年にはこれらのいくつかを実用化し、ユーザー様のメリットになるようなサービスの提供を目標に鋭意進めてまいります。

JINS MEMEは来年も着実に進化し続けますので、引き続きご愛顧・ご愛用のほどよろしくお願い申し上げます!!

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